君の名は

火 旧暦 12月19日 赤口 癸未 二黒土星 Kyndelsmässodagen V5 22274日目

人の名前を呼ぶ時に、日本では苗字で何々さんと呼ぶのが普通である。余程親しい人だと名前で呼ぶ。ところがこちらでは直接名前で呼ぶ。最初の頃、日本の女の人に声をかける時、枕を交わした相手でも無いのにいきなり名前で呼びかけるのは僕にはためらわれて、しかも勇気がいった。最初にスウェーデンに来た時、僕は職場の人にこう言った。日本人は苗字で呼びあうことが一般であるから、日本の人に声をかけるときは苗字を使い、さん付けで呼んで欲しいと。こちらの人には違和感があるかもしれない。いばって構えているようにとられるかもしれないが、そういう呼び方をしても、こちらで名前で呼び合っているのと同じくらいの親密度で、日々仕事をしていることも言った。日本のお客さんを相手に仕事をしようとするなら、それくらいの違和感を進んで引き受けるくらいの覚悟がなければ駄目だと思ったのである。それで僕は長い間、会社の中で例外的に苗字で呼ばれていた。ところがこの頃は若い人が増えて来て、名前で呼ばれてしまうことが多くなった。いちいち修正するのもおっくうで、威張っているように聞こえてしまうおそれもあるので、もうこの頃は言われるにまかせてしまうようになった。