食う寝るところ住むところ

日 旧暦 12月17日 仏滅 辛巳 九紫火星 Ivar Joar Septuagesima V4 22272日目

日本人の中には、荒れて住みにくくなった日本に嫌気がさして、できれば海外に移住したいという人もいるらしい。どこまで本心か分からないが、僕は単純に「賛成」と言う気持ちにはなれない。スウェーデンに移って来てもう何年にもなるが、友人に向かって「良いところだよ。君もこちらに移って来てはどうだい」などと言う気持ちは更に無い。こちらの暮らしが住みにくいと言うわけでは決してない。自分の静かな暮らしを邪魔されたくないということでもない。またこれとは反対に、「一日も早く日本にご帰国できますように」と言ってくれた人もある。僕にとっては、与えられた道を与えられたままに感謝して生きるのみであって、平和に暮らすことが出来るなら住む場所は西洋も東洋もないのである。白川静先生の書かれたものに「故郷とは故郷を離れて住む者がそのうぶすなの地を呼ぶ名である」という文がある。この言葉に僕は限りない共感を覚えている。今の日本が傷ついているなら、何としてでも再生して欲しい。そういうことを北欧の空の下で切に思う。