Alla Helgons dag

土 旧暦 9月14日 仏滅 己酉 三碧木星 Edit Edgar Allahelgons dag V44 22180日目

何年か前、韓国ドラマで「冬のソナタ」が評判になる前には、スウェーデン映画の「秋のソナタ」が割と有名であった。今はなきイングマール・ベルイマン監督の映画である。スウェーデンの秋の日は短い。美しいけれども物悲しい。その物悲しさは Allahelgons dag に集約される気もする。日本でお盆にお墓参りに出かけたりすると、残暑の厳しさの中にふと秋の気配も感じられて、その夏と秋との交錯する感じが亡き人の思い出とひとつになって、一種の哀感を誘うのであるが、スウェーデンの晩秋のお墓参りには、また別の季節の哀愁が漂う。夕暮れに同居人と墓地に出かけた。たそがれの靄のかかったような広い墓地に無数の灯りが浮かび上がって、冷気の中に幻想的世界が広がっている。スウェーデンには共同墓地があって、池の周りを囲むようにあかりが灯される。20年以上もこの地に住んでいると、その間には亡くなった人も身の回りにあって、それらの人を思い出しながら池を巡るのである。スウェーデンの人ばかりでなく、日本で亡くなった人も一緒に追悼することにしている。スウェーデンの晩秋の歳時記の一日であった。

秋の日の 亡き人恋うる 池の端