同居人のお仕事

金 旧暦 9月13日 先負 戊申 四緑木星 Elsa Isabella V44 22179日目

同居人は老人介護のお仕事をしている。長くコミューンの職員として働いていたのであるが、昨年の秋、コミューンの経営が苦しくなって縮小された。そこでこの事業を一私企業が引き受けることになった。これに伴って同居人はコミューンの職員を辞めてその企業の従業員ということになった。当然合理化が進められて、以後も同じような内容の仕事を続けるものの、働く条件などはかなり変わったのであると思う。介護される側にも何らかの変化があったであろうと思う。ところがそれから1年が過ぎて、この企業でも採算が取れないとして、事業の撤退を決めた、そして同居人は今年の夏ごろから解雇予告を受けるようになった。それでその先をどうするかということがこの秋のわが家のひとつの課題であった。老人介護という仕事は毎日の日常生活の連続であるから、ある日突然、サービスが停止します、ということになれば、一番困るのは介護される人たちである。同居人は食事の時などに色々と話してくれるのであるが、僕の方は身に入れて聞いてないものだから、詳しいことを書くことが出来ない。ともかくも別の企業がその地域の介護を引き受けることになった。そして面接があったり、紆余曲折の末に、同居人はその新しい組織で雇ってもらえることになった。今日はこれまでの会社に勤める終わりの日であった。作業のユニフォームも返した。明日働く当番の人は老人アパートの鍵を新会社に引き継ぐなど、色々と手続きがあるらしい。介護の仕事、福祉の仕事はどこの国でも重要な仕事である。ただそれは何かを生産する営みではないために、そのサイクルの中に自ずから利益を生む過程を持っていない。高齢化社会が進むと当然介護の需要が増える。そういう事業が持続できるためには、その社会は豊かな財源を他に求めなければならなくなる。これが少子高齢化の抱える課題であるが、一方で、人は皆、若いうちから健康管理に気をつけて、老後に少しでも介護を受けずにすむように努力することも大事であると思う。