休暇の醍醐味とは

遠くへ行きたい、と思うことがあまりない。知らない町も知らない海もファンタジーの中で憧れることはあっても実際に旅に出たいとは思わない。せっかく与えられた休暇は家にいて日頃やりたいと思っていることをやることが出来ればそれが一番ありがたい。休暇を利用して旅行に出かける人もいるが、そういう過ごし方は僕にとって本当の休暇にならない。それにしても、ただ家にいるだけでもなかなか忙しい。掃除をしたり、ちょっと新聞に目を通したり、テレビを見たり、来た郵便に目を通したり、電子メールのチェックをするだけでもどんどん時が過ぎていく。いつになったら自分のしたいことが出来るのであろうか。食べるものを同居人が用意してくれるからありがたいものの、これで食べるものも自分で用意せねばならぬとなると、また余計に時間がかかる。何しろ、休日で静かにしていても何も食べずにいれば腹が減る。こうして振り返ると毎日家にいて生活するだけでも忙しいことである。家事というものの大変さをつくづく思うと同時に、人間にとって生きるということはこのような平凡な日常をかみしめることかもしれないと思う。