戦争の長さ

2023-10-26 (木)(令和5年癸卯)<旧暦 9 月 12 日>(友引 丁巳 四緑木星) Amanda Rasmus   第 43 週 第 27288 日

 

第二次世界大戦で日本が敗北したのは1945年であった。それ以来今日まで78年間、日本国内では戦争もなく過ぎた。むしろ災害による被害が大きかった。太平洋戦争は1941年に始まったが、それは1931年の満州事変以来の日中戦争の続きとも見られる。すると昭和前半の15年ほどは戦争の時代であった。近代以前の日本史の中では応仁の乱が11年ほどと長かったが、他は短かったと思ふ。関ヶ原の戦ひは一日で済んでるし、保元の乱などは数時間で終はってゐる。日本のいくさは伝統的に短期決戦が多かったと思ふ。また一般市民を巻き込むこともなかったと思ふ。それが明治時代に近代国家として出発してからは戦争といふものが長くなり、一般市民も巻き込まれる様になった。これには欧米に対抗するためにやむを得なかった一面もあるかしれない。20世紀に入ると兵器が近代化して大量殺戮の時代になった。ヨーロッパでは戦争の名前だけ聞いても三十年戦争とか百年戦争とか長いものが多い気がする。ヨーロッパはその高い文明を未開のアジアの国々に広めようとして植民地化を図った時代があるが、その文明の実態とは戦争ばかりしてゐる状況ではなかったか。岡倉天心の「茶の本」には、ヨーロッパは遅れてゐた日本が近代兵器を備へて参戦した時初めて日本を文明国家であるとみなしたといふ痛烈な皮肉が書かれてある。20世紀以降には大量殺戮兵器が駆使されたので、戦争が長引けば犠牲者は増える一方である。プーチン大統領はおそらく短期決戦のつもりでウクライナ侵攻を始めたが、長い戦ひになった。ハマスイスラエルの戦ひもこれからどれほど長く続くのだらう。早く平和になって欲しい。

夕方日の暮れるのも早くなった。今度の日曜日からは冬時間。