平家物語 巻第五 「物怪之沙汰 3」

2023-09-27 (水)(令和5年癸卯)<旧暦 8 月 13 日>(友引 戊子 六白金星) Dagmar Rigmor    第 39 週 第 27259 日

 

その他にこんなこともあった。一番良い馬屋に、担当者も大勢付けられて、朝も夕もいつも大事に飼はれてゐる馬があった。その馬の尾に、一夜のうちにネズミが巣を食ひ、子を産んだのだった。「これはただ事ではない」と言って、七人の陰陽師に占ひを立ててもらった。すると「これは厳重な謹慎をなされなければなりません」と出た。この馬は相模国の住人大庭三郎景親が、関東八カ国一の馬であると言って、清盛に献納したものだった。黒い馬で額は白かった。名を望月と言った。陰陽の頭 安倍泰親が占ひを給はって申し上げた。昔天智天皇の御時、寮の御馬の尾にネズミが巣を食ひ子を産んだことがあるが、この時は異国の凶賊が蜂起したと日本書紀の記述にあるといふことであった。

プールの駐車場で見た秋