屋根の葺き替へ

2023-08-04 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 6 月 18 日>(大安 甲午 六白金星) Arne Arnold    第 31 週 第 27205 日

 

今住むアパートに越して来てもう30年以上経つ。これまでに屋根の瓦を取り替へる工事はなかった。それが今年はその必要があるらしく、近くの建屋から工事が始まって、今週は我がアパートの工事にかかってゐる。もしこれがマイホームであるなら、その様な施工の心配は自分でせねばならないのだが、黙ってゐてもやってもらへるのはありがたい。良いシステムだと思ふ。日本のマンションについては賃貸マンションと分譲マンションの区別しか僕は知らないが、スウェーデンで僕の住むアパートはその中間的なものである。土地や建物は自分の所有でないのだが、そこに住む権利をいったん入手できれば、自分が手放すまで自分のものの様に使って良い。手放す時はまるで自分の家を売る様な感覚で手放すのである。家の内装は居住者の自由に変更して構はないが、窓やドアや屋根や外壁や建物の外枠の部分は自由にできない。それは管理会社が保守点検や補修をしてくれることになってゐる。便利だと思ふ。日本の不動産も、マンションや住宅を建設したら分譲するのを禁止して、その建物を将来壊す時まで、建設した会社が責任を持って管理する制度にしてはどうかと思ふ。固定資産税、火災保険や災害保険も建設した会社が支払ふ。風水害や震災で住宅が損壊すれば入居者は困るだらうが損壊した建物は元々自分のものではないので負担は少ない。入居したい人は居住権を買って入居する。そして出ていく時はその居住権を売る。居住権の相場はその時の社会の経済状況で決まる、といふ風にすれば、空き家問題なども起こりにくくなるのではないか。死ぬ時は安心して死ねる。個人が悪質な修理業者に騙されることもなくなる。外国人に日本の不動産を買はれてしまふ問題も起きにくくなるのではないかと思ふ。

屋根の葺き替へ工事が始まる。足場も設けられて本格的。足場はスウェーデン語で Ställningar と言ふらしい。