台所の床の張り替へ

2023-03-17 (金)(令和5年癸卯)<旧暦 2 月 26 日>(先負 甲戌 八白土星) Gertrud 第 11 週 第 27065 日

 

マイホームと言へば響きは良いのだが、マイホームを持った場合、自分で家を維持し管理していくには結構な負担がかかるものではあるまいか。経済的負担ばかりでなく、大工さんの様なものの見方で家を見て、古くなった箇所は早め早めに補修の手を入れるなどは、それだけでかなり時間も取られさうな気がする。「これはもうオレの家だから、多少悪いところがあっても、住むオレさへ我慢すれば良いだけの話ではないか」といふ発想に傾きやすい。その結果、家の価値がどんどん下がってしまふ。日本では空き家がひとつの社会問題となってゐるが、空き家であってもすぐに人が入居できる様によく管理された建物であるなら、空き家が増えてもさほどには深刻な問題にならないのではないかといふ気がする。スウェーデンにもマイホームはあるが、家に関する感じ方は日本とは違ふ気がする。日本の様な空き家問題はあまり聞かない。マイホームでなくても色々な賃貸形式があるが、例へば僕が今住むアパートは Bostadsrätt といふもので、不動産は自分の所有ではない。かといって、顔見知りの大家さんに毎月家賃を払ふ様なイメージでもない。土地や建物は自分の所有ではないが、そこに住む権利を買って入居する形式である。契約年限がないので、2年ごとの契約更新みたいな手間も心配もない。一度住む権利を手にすれば、引っ越して出ていく時まで自由に部屋を使って良い。柱に釘を打たないでとか言はれることもない。出ていく時に住む権利を他の人に売るのである。相場は時代によって変はるので、少ないお金で入居できて退去時には大きなお金が入る場合もあるし、その逆もある。普段から綺麗に部屋を使へば出ていく時に高く評価してもらひやすい。何年かが経過するとアパート全戸の窓やドアを一斉に交換してくれる。その部分は建物の一部であるからその時に特別に自己負担を求められることはない。自分で建物の補修を心配する必要がないのはありがたいことだ。万一災害にあった場合は損害を被るが、建物そのものは元々自分の所有ではないので建物の損壊は住居人の損失にはならない。ところで、我が家では去年から台所の床板の隙間から少量の水が湧き出る現象があった。これも日本のマイホーム的発想なら、このまま我慢して使はうかといふ発想もありうるが、こちらではさうはいかない。管理会社に台所の床板に損傷があることを報告したら、人が調べに来てくれて、保険が認められて、台所の床を張替へることになった。

日本では春爛漫らしいが、こちらではまだ残雪を見る