地球の輝きが失せたと云ふニュース

2021-10-08 (金)(令和3年辛丑)<旧暦 9 月 3 日> (大安 己丑 五黄土星寒露 Nils 第 40 週 第 26536 日

 

CNN日本版のニュースに、「地球の輝き、この数年で失せた理由は?」と云ふ記事があった(2021.10.05 Tue posted at 16:11 JST) 。ノーベル賞をきっかけに、真鍋博士の気候モデル開発、温暖化予測の成果が話題になってゐる中で、このニュースにはやや違和感といふか、驚きがあった。何も知識を持たない僕が何となく想像してゐたイメージは、大気中に二酸化炭素が増えて地球が雲やスモッグのようなものに覆はれて熱がこもるようになり、その熱が宇宙に向かって逃げなくなり、結果的に地球が温暖化するのだと思ってゐた。しかし、このニュースが知らせることは、太陽から届く熱や光が、これまでは大気中の雲によってしっかり跳ね返ってくれてゐたのに、この2、3年は跳ね返りが弱くなって、直接地表に熱が降り注いでしまふようになったといふものである。大気の性質が変はったから温暖化するのだといふ点では同じことかもしれないが、地上の熱が外に逃げない温室効果といふ考へと、余分な太陽熱が直接地表に届いてしまふといふ考へとは概念が違ふと思ふ。もし、宇宙から地球を眺めることができたとすれば、地球は最近の数年で輝きが失はれて、ずいぶん薄暗く見えるのだといふ。どうしてそれがわかるかといふと、月の形でわかる。お月様が光るのは太陽の光を受けて、その光を受けた部分だけが明るく光るのだが、その光らない部分もうっすらと陰のように見える場合がある。三日月であっても全体として月は丸いとわかる。このうっすらと見える陰の部分は地球から跳ね返った太陽の光でそのような陰ができる。これは「地球照」と呼ばれてゐる。地球がしっかりと太陽の光を跳ね返せば、その分、地球照は明るい陰を描くことになる。アメリカの研究チームが発表したのはこの地球照の明るさが最近の3年で急速に暗くなったといふものである。太陽光の跳ね返りが弱くなってゐるのである。その分、太陽の熱は余分に地表に届いてしまふ。地上で、場所によって40℃を超えることが最近起きてゐることと符合するようである。これはどうしてさうなるのか。根拠があるわけではないが僕が思ふのは、空も海も地球は汚れてしまったからではないかといふことだ。大気が太陽からの光をたくさん跳ね返してくれるためには、地球をもっと綺麗にしなければならないのではないだろうか。もちろん脱炭素化は今もっとも重要な課題であるし、その努力を怠ってはいけないが、もしかするとそれだけでは足りないのではないかといふ気がする。

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この3日ほどは小春日和。スウェーデン語では brittsommar、英語では Indian summer