スウェーデンのコロナ対策

2020-06-03 (水)(令和2年庚子)<旧暦閏 4 月 12 日> (先負 丁丑 五黄土星) Ingemar Gudmar 第 23 週 第 26045 日

 

スウェーデンのコロナ対策で、厳しい外出規制をしない独自路線を主導してきた疫学者の Anders Tegnell は今や世界でもかなりの有名人ではないかと思ふ。今日のインタービューで少し規制が緩すぎたかもしれない様な発言があった。スウェーデンの新型コロナによる死者数は4542名で、北欧諸国でも突出して多い。ノルウエーやデンマークの入国制限解除からスウェーデンが外されたことも、今日の発言に関係してゐるかもしれない。ただ、どんな方法が最善であるかはわからないし、コロナの影響はこれから数年は続くことを思へば、スウェーデンの実験はひとつの参考になりうると思ふ。スウェーデンに死者が多いのは、コロナに限らず、普段からなかなか医者に診てもらふことができない状況であることに起因してゐると僕は思ふ。ちょっと具合が悪くても数日寝てゐれば治る場合も多いので、普段ならそれで良いのかもしれないが、新型コロナに感染して重症化するととてもそれでは間に合はない。それで死者が多いのだと思ふ。もともと人口密度の小さい国なので、密を避けるのはさほど困難ではない。特に地方でさうだ。スターリンは「1人の人間が死ぬときは悲劇だ、何万人の人間が死ぬときは統計だ」と言ひ放った。コロナの場合も死者の数を統計として見るだけでは恐ろしさが実感に訴へないこともあるかしれない。その点、日本では志村けんさん、岡江久美子さん、岡本行夫さんなど、有名人が次々になくなった。改めて合掌する思ひだが、かうなると、人は「エッ、あの人が?」と驚いてその恐ろしさを実感するものだ。スウェーデンにも有名人の死があるのかもしれないのだが、僕はあまり有名人を知らないのでわからない。日本でコロナによる死者が少ない理由のひとつに、有名人が犠牲になって人々に恐怖感を惹起したこともあるかもしれないと思ふ。

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空の青さも木々の緑も申し分ない毎日だが、コロナの心配で気が重い。