スウェーデンには第2波が来ないといふ予想

2020-07-30 (木)(令和2年庚子)<旧暦 6 月 10 日> (先負 甲戌 八白土星) Algot 第 31 週 第 26102 日

 

地方紙 Södermanlands Nyheter に「スウェーデンには COVID-19 の第2波は来ないだろうといふ予想」が載った。センセーショナルに響くが、予想の発信者は時の人、スウェーデン公衆衛生局の Anders Tegnell 氏である。この言葉の真意は、そもそも国ごとに第1波、第2波といふ様な捉へ方をすることが単純化し過ぎてゐて状況をうまく説明できない、その様な捉へ方をするよりも、もっと細かい地域ごとに現れる複雑な拡がり方に注目すべきである、といふことの様に僕は理解した。実際、スウェーデンでは感染は急速に減少してゐるのに対し、ドイツやイギリスでは増加の兆しが見られる。再び増加しつつある国での広がり方はそれぞれに異なって見える。一部の国では感染が均一に広がり、国全体で増加するけれども、さうでない国もあり、例へばスペインではこれまでに流行らなかった地域で感染者が増えるとか、ドイツなどではいくつかの職場を中心に感染が広がるとか状況は様々である。旅行に出るのも、あの国は危ないからやめようとかいふことではなく、もっと細かい地域の情報を正確に集めて、確実に自分を保護できる様に配慮することが大事であるといふ。2月にはスポーツ休暇もあって、このことを知らなかったスウェーデン人の多くが外国へ出かけて、帰って来て感染を広げてしまったが、この様なシナリオが再びスウェーデンに起きるリスクはほとんどない。ただ、感染するリスクは常にあるので、病気かなと思ったら動かずに家に居ることが非常に重要である。スウェーデン国内でも今後、ーそれを第2波と呼ぶことは適当でないのかもしれないがー 局所発生による不均一な広がりが予想され、国全体としては秋に増加、減少、増加があって年が明けてまた減少するといふ予想がある。そのシナリオに基づくある試算では、今から2021年9月1日までに3247人の新たな死者が出るとされるが、Anders Tegnell 氏はそこまで死者数は多くならないだろうと予想してゐる。さらに Ny Teknik の7月30日のWEB記事によれば、Anders Tegnell 氏は在宅勤務ができる人はこの秋も引き続きさうする様に呼びかけてゐる。やがて夏の休暇が終はって、多くの人は職場に戻る季節を迎へるが、依然として在宅勤務が勧められてゐる。また公共交通機関など、場所によっては非常に混雑してゐるので、もっと距離を取る様にすべきであると政府はコミューンに勧告の指示を出した。ソーシャルミニスターの Lena Hallengren 氏は、記者会見で「公共交通機関のスタッフが感染対策の理由で旅行者を拒否できる様な新しい法律が必要ではないか」といふ質問に対し、「法制化は時間もかかる。今は業界が推奨事項を守ることが大事だ」と語った(Ny Teknik 2020-07-30)。

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この写真を撮った後に北の空から暗雲が広がった。雨にはまだ間があるだろうと早足で散歩を続けたが途中から降られてしまった。