進化する Duolino

2019-08-19 (月)(令和元年己亥)<旧暦 7 月 19 日>(先勝 戊子 六白金星) Magnus Måns 第 34週 第 25757 日

 

ソフトウエアといふものは自分の気づかないうちに進化するものである。毎日同じアプリを開けばそこには昨日と同じ様な画面が出てくるけれども、その背後で働くソフトウエアはもはや昨日と同じではないことは良くある。もし、天才が一度限りのソフトウエアを設計して、それは決してアップデートされる事なく、未来永劫同じソフトウエアを一般人が使ひ続けられるなら、どんなにか心穏やかに生きることができるだらうか。やれ、最新のソフトウエアにアップデートしないとセキュリティが保証されませんよとか、コンピューターの世界はとかくせはしない。この点で機械は老人向きではない。ところで、僕がスウェーデン語の学習のために毎日使ふ Duolingo であるが、先週まで、僕はルビー・リーグの生徒であった。それはリーグとしては最高位であった。毎週、このリーグから脱落しない程度に勉強してきた。ところが、先週からは、そのさらに上のリーグが準備された様なのだ。上位のリーグに昇格するためには、週末(つまり日曜日の深夜)の判定時に成績順位がベストテン入りしなければならない。つまらない競争心をおこさずに、今のルビー・リーグで良いではないかと自分に言ひ聞かせるのだが、もう一人の自分が、もう少し頑張ってみようぢゃないかと声をかける。画面の上の方には、判定締め切りまであと何時間何分残されてゐるかが出る。うまくベストテン入りできても、あと3時間も残ってゐる様な場合は、その間に抜かされてしまふ恐れもある。だから少なくとも9位には上らないと安心できない。日曜日の午後は、このゲームのために多くの人が競ひ合ひ、10位から15位くらいまでの人たちは激しく競ひ合ふ。それで昨日の日曜日の夜は僕もその熾烈な戦ひに参加した。果たして、月曜日の今日、Duolinog にログインしてみると、「おめでたうございます。あなたは今日からエメラルド・リーグです」とメッセージが出た。熾烈な戦ひを制して一段上のリーグに参加できたのだ。そこにはさらに上のリーグもある様であるが、今週は忙しいし、これ以上は挑戦できない。だが、少なくとも、ワーストテンには落ちない様にせねばなるまい。サボると来週は下位のリーグに格下げになるからだ。念のために書けば、このリーグは毎週どれくらいたくさん勉強したかを示すのであり、その人の語学力の指標ではない。初心者でもたくさん勉強すれば高いリーグにいけるし、反対にその言語をよく知ってゐる人でも、その週に勉強しなければ、下位に落とされる仕組みになってゐる。

f:id:sveski:20190820205820j:plain

光る海と海辺の彫刻。ストックホルムで。