トイレの使ひ方

2018-11-17 (土)(平成 30 年戊戌)<旧暦 10 月 10 日>(先勝 癸丑 二黒土星) Naemi Naima  第46週 第 25483 日

 

トイレを使ふ時、僕は立って用をたすが、便器の外に一滴たりともこぼさないことを自分に命じてゐる。これは簡単な様で意外に難しい。「今回は完璧に出来た」と思っても、離れて見ると、床に小さな水滴を発見することがある。「エッ、いつの間に?」と驚く。どの過程で飛び散るのか、長年合点がいかなかったのだが、最近は研究が進んで分かってきた。徒然草に「高名の木登り」といふ話があるが、あれと同じで、人は放尿の最中は緊張してゐるからこぼさないものだ。しかし最後に大事なものを振る時に緊張が緩んで溢れるのだ。原因がわかれば対策は容易だ。僕の考案した対策はかうである。おしっこをする時はスキーのジャンプの姿勢で前かがみでやることだ。K点を超えても姿勢を崩さずに、しまふべきものを前かがみのままでしまってから着地する。この時急いではならない。曰く、「おしっこはジャンプだ!」だから、多分、寝ても覚めても練習に余念のないスキーのジャンプの選手たちは、トイレでおしっこをこぼしたりは決してしないだらうと僕は想像してゐる。

 

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「葦の枯葉に風わたるなり」といふ歌もありましたね。