静かな時間

水 旧暦 11 月 10 日 友引 戊子 七赤金星 Johannes Johan V52 25159 日目

今月は床に臥してゐる時間が長かった。僕も同居人も二人ともさうである。窓のそとの世間といふものは、窓のうちに暮らすものにとって、関係のない世界である。まことに静かな時の流れである。この間、生産的なことは何もできなかった。若かった頃なら、遅れを取り戻さうとか、気が焦ったものであるが、今回はとんと気にならない。生産的なことは何もできなかったと言っても、コンピューターが元どおりになってくれたことへの安心が大きく寄与してゐるとは思ふ。でもこの落ち着いた感じは、かつて自分が感じてゐた程度よりも少し深いところへ一歩導かれた感じがする。そのもっと先には僕のまだまだ知らない世界が広がってゐる気もする。そんなことに気づかせてもらった点で、今回の病気は僕にとって悪くなかった。これからも自分だけの静かな時間を大事にしたいと思ふ。