イタリアのシャンプー男

水 旧暦 5月13日 大安 乙丑 八白土星 Robert Robin V23 24956 日目

知らない人と話をするのはリスクが大きい時代になってしまった。そんな風潮は日本に限ったことではないかもしれない。でもそんな風潮が続くと社会が閉鎖的になっていく気がする。今日は知らない人と話をした。と言っても自分から声をかけたのではない。プールのシャワー室で、若い男が「シャンプーを貸してくれないか」と言って近づいて来た。いきなり変な質問だなと思ひつつ「僕は石鹸しか持ってないんだよ。壁にかかってあるボディソープを使ってはどうかね」と答へた。男はそれに気づいて「アッ」と小さく頷いて僕から離れた。着替へを終へて建物を出ようとしたらまた声をかけられた。どうもさっきのシャンプー男らしい。「外は土砂降りになったから、町を通るなら、できたら君の自動車に乗せてくれないか」と交渉して来た。それも言葉が英語であるのだ。旅の人、もしくは短期滞在者かもしれない。知らない人を自動車に乗せるのはリスクがあるが、みたところ危険な感じはなかったので乗せてやった。町までほんの 2、3 分である。「君は運の良い男だ。いつもは僕は自転車なのに、今日は自動車で来たんだ。もし君が自転車に二人乗りさせてくれないかと頼んで来たら、きっと僕は断ってたと思ふよ」とか話をした。どこからと聞くと、シャンプー男は「イタリアから来たんだ」と言った。やがて「あ、ここでいい」と言ふのでバス停に車を寄せた。男は雨の中に消えて行った。