よそ行きの服

火 旧暦 3月20日 仏滅 戊寅 九紫火星 Teresia Terese V17 24538 日目

また別の押入れを整理すると、今度は父の背広などが出て来た。これはもう燃やせるゴミとして処分するしか無い。よそ行きの衣服といふものは、普段から頻繁に着ると、雑巾を絞る水がはねたり、早く汚れたり、ダメになったりするものだから、僕はなるべく着ないで取っておく。すると、いつの間にか時が過ぎて、せっかくの衣服があまり活用されないまま結局やがては捨てられたりするものだ。これに比べて、着古したワイシャツなどは、ヨレヨレになっても作業着として着る。これはもうどれだけ汚れても構はないと思って気楽に着るものだから、毎日着ることになって、その活用度は非常に高い。僕においては、良い衣服ほどあまり活用されず、あまり良くない衣服ほど毎日の生活に活用される傾向がある。おしゃれな人とはその様な毎日の暮らしの中でも、見た目を大事にする人のことかもしれない。あまり活用される機会も少なかった衣服は捨てられる時、どんな風に思ふかなと思ふ。もっと惜しみなく毎日着て欲しかったと思ふかもしれない。