杞憂

木 旧暦 12月26日 先勝 丙辰 八白土星 立春 Ansgar Anselm V5 24456 日目

世の中の技術の進歩があまりにも早いので僕は少々心配になってゐる。文明が発達するのは決して悪いことではないし、その恩恵を僕も十分受けてゐるのであるが、想定外の連続であったあの東日本大震災を体験した人間としては、その教訓をこれからどう生かすかといふ事と文明の凄まじいほどの進化に無批判に順応する事とは背反するからである。人類は今破滅への道を早めてゐるのかもしれない。もう元へは戻ることのできないところまでみんなが渡りきった頃合ひを見計らっていきなりズドンと天変地異が起きるのではないかと心配である。自動運転技術は素晴らしいと思ふが、ある日、地球に大変動が起きて永遠に GPS を使ふことができなくなったらどうなるだらう。仕事をしてゐない僕の日常の家庭生活でさへ、コンピュータやネットが使へなくなったら既にお手上げである。さうなったら僕はもう殆ど何もできないことろまで既に橋を渡ってしまってゐる。さうなったらほんの数年前の自分に戻れば良いぢゃないかと思っても、そこはもう暗くて深い谷の向うである。多くの人は、「その時はその時さ」と思ってるのかもしれない。でも、その時にでも平静でゐられるための心の準備がどこまでできてゐるかなと、僕はこの頃自問してみることが多い。杞憂であれば良いのだが。