暴徒化する社会

水 旧暦 10月5日 友引 辛丑 五黄土星 Linus V48 24032日目

ここ数年来、世界の各地で大衆の暴徒化が見られるが、今回はアメリカでも騒ぎがあった。18歳の黒人の少年が白人の警察官に銃で撃たれて死亡し、さらにこの警察官が不起訴とされたことから、騒ぎが始まった。この事件が人種差別に当たるのかどうか僕にはわからないが、少なくとも普段から、人種差別の問題が全米のあちこちでくすぶってゐるからこそ、この様な事件がきっかけになって大衆が暴徒化するのであると思ふ。暴動は民衆の不満の爆発である。貧富の差が広がると暴動が起きやすくなる。リンカーン奴隷解放から150年以上経ってゐるが、現代は経済格差で別な形の差別があるのではないかと思ふ。人種差別の問題は、その解決を単に人の心に求める道徳的問題である以上に、格差社会を生み出す経済構造への恨みであると思ふ。僕は他ならぬアメリカでこの様な暴動が起きたことに衝撃を感じる。日本でもこの先暴動が起きないとは誰も言ひ切れない。穏やかな国民性であると言っても、貧富の差がうんと拡大すれば、不満を持つ層が暴徒化しない保証は無いと思ふ。