秋のお掃除

土 旧暦 9月16日 赤口 丙午 六白金星 満月 霜降 Severin, Sören V42 22536日目

アパートに住む人たちが集まって、建物の周りの掃除をする日である。こういう日を社会奉仕の日と言って、子供の頃は夏休みのうちにあったが、今の日本にもあるだろうか。ここでは春と秋と年2回ある。今回はちょうどこちらにいたので、僕も同居人と一緒に参加した。熊手や電動のこぎりを手にした人たちがちらほらと集まって来る。掃除用具などは、共同の作業小屋にしまってあるのを、各自が選んで持ち出すようになっている。朝9時になると大勢になった。ご近所でも知らない人が多い。大勢で仕事をするとあたりはみるみるきれいになっていく。特に誰かが指揮をとると言うのでもないが、そもそも掃除に戦略も戦術も要らない。めいめいが眼につくところを思い思いに奇麗にしていけば良いのである。それぞれが勝手に動くように見えて、全体としては良く調和が取れている感じがした。僕は砂場の横のゆるい階段のところを奇麗にした。熊手を隙間の奥まで突っ込んで、段と段との間にたまっている枯葉を手前に掃出す。なるべく体の動きが無駄にならないような掃除の仕方があるのだろうと思う。そういう人の掃除の姿勢は美しいであろうと想像したりする。昔の日本には「落ち葉炊き」という一種の風流があったが、今はあまり無い様に思う。集めた落ち葉や枯れ枝をどこへ捨てるかが現代の掃除をする時の課題である。ここでは人の背丈よりも高い大きなコンテナが用意された。その大きなコンテナが落ち葉や枯れ枝等で一杯になった。しまいにはこぼれるほどに山盛りになった。正午にはソーセージの入ったパンを皆で食べたりする。その後は人が少なくなって、それでも遅くまであちこちに残るゴミのかたまりを集める人たちがあった。細かい雨が降りそうで降らずにすんで、今年の秋の掃除が終わった。