煤逃げ

水 旧暦 11月15日 先勝 己酉 六白金星 Abel Set V53 22240日目

昨日から冷えた。同居人によると、昨夜遅い時間に氷点下10度の寒さの中を走る人がいたと言う。冷たい空気を大量に肺に送り込むと負担がかかるので、氷点下18度以下になったらジョギングは禁じられているとか、同居人から聞いた。吸い込む時、空気を暖めるようなマウスピースもあるらしい。今日はさらに冷えた。昼休みに町を歩いたら、町にはたくさんの人が出ていた。車などの鍵が凍りついて動かなくなった時にさす油(スウェーデン語ではLåsolja、鍵油という。一語で言えて便利である)が切れていたので買いに行ったのだが、1軒目のお店では売切れていたので2軒目まで歩いて行った。少し運動になった。滑らないようにゆっくりと歩く。向こうから補助具を使うおばあさんが近づいて来る。目が合ったと思ったら、「何度だと思いますか」と聞いてくるので「氷点下15度くらいでしょう」と答えた。「何という寒さでしょうね」と憎そうに空を見て言う。知らない人と言葉を交わすことが昔はよくあったが、今は珍しいように思う。でも悪い気はしない。それから会社に戻って少し仕事をした。煤逃げではないが、年末に家にいるときっと邪魔になるだろう。今日は Eva に散髪してもらう約束の日である。時間を指定するとせわしないから、都合のよい時間になったら仕事場へ電話をくれと言ってある。夕方電話がかかってきたので、仕事をやめる。仕事場に寄ってもらい、自動車へ乗せてもらって一緒に家に帰る。Eva は先日までウガンダへ行っていたので、その時の写真を見せてもらった。それから浴室で散髪をしてもらう。小さな丸椅子に座り、ビニールの覆いをつける。「髪はどのように切りましょうか」「見るからにサラリーマン風のカットにしてください」「わかりました。七三で行きます」こんな調子で頼むのである。Eva は絵もうまいが散髪もうまい。床に落ちたグレーの髪を掃き集めるとちりとりにいっぱいになった。