裁判の時代

木 旧暦 閏5月24日 仏滅 壬戌 八白土星 Reinhold, Reine V29 22073日目

裁判員制度が始まって、選ばれた裁判員が実際に呼び出される手続きが始まっているらしい。が、僕はこういう現代日本の空気の中に言いようの無い違和感を感じている。裁判員制度そのものへの違和感ではない。何かというとすぐに裁判沙汰に持ち込もうとする人のあまりに多いことへの違和感である。裁判所は忙しい。弁護士も忙しい。無論、人には誰にも権利が認められている。正邪の基準に照らして当然主張すべきものを主張しなければ一方的に損をするだけである、という気持ちは分からないではない。だが、昔の日本人の、神仏の前に自然に頭を下げ、争いを避けて生きようとしていた人々は、たとい、相手に非があると分かっていても、こんなに容易に裁判に出て闘うということをしただろうか。僕は今のようなこういう風土の中では、裁判に勝ったとしても、人は幸せになることができないのではないかという気がする。