聞くは一時の恥

火 旧暦 5月 3日 先勝 辛未 二黒土星 Vilhelmina Vilma V22 22021日目

「聞くは一時の恥、聞かぬは末代の恥」と子供の頃に教わった。人に何かを聞くのは勇気がいることだ。「なんだ君、今までそんなことも知らなかったのかい」と馬鹿にされるんじゃないだろうかという思いがちらとよぎったりする。ところが、勇気を出して聞いてしまえば、意外と相手も知らなかったりすることもある。聞かずにおくと、いつまでも無知のままでいることになるから、そっちの方がもっと恥ずかしいことだよと言うのが「末代の恥}の意味である。ところが、最近は事情が変わった。人に聞かなくても大抵のことはネット上で調べることができる。打ち合わせの時、知らない用語が出てきても、その場ではあたかも知っているような顔をしておいて、後でこっそりその用語の意味をネットで調べる。意味が分かったらあとはもう、そんなことくらい10年も前から知っていたよというような顔をするのである。だが、こういう環境が出来上がってから、人との対話は減ったかもしれない。ちょっと教えてよ、という会話が減ったかもしれない。もっとも今の人は、ネットの上でそういう対話をしているらしいけれども。昔は一般に年長者の方が多くの知識を持っていたが、今はそうとも限らなくなった気もする。