坂の上の雲

金 旧暦1月30日 赤口 丙午 四緑木星 Camilla V10 21577日目

来年秋に、NHKが「坂の上の雲」を放送する予定があって、その撮影が着々と進められている様子をテレビで垣間見た。加藤剛伊藤博文を演ずるということであった。明治という時代は日本にとって輝かしい時代であったが、今それをことさらに回顧することで、人々がおかしな具合に狭い民族主義に陥っていくことのないようにして欲しいと思う。「坂の上の雲」は僕にとって、忘れられない本である。子供の頃から僕は、家の中に流れている歴史観のようなものと、学校で教わる社会科の歴史との間に大きな差異があることを感じて戸惑っていた。「坂の上の雲」を読んだ時、それが家の中に流れていた歴史観のようなものと共通する何かを感じて妙に安心したことを覚えている。僕はきっと右翼的な人間である。しかしそれでも、もし小中学校で「君が代」を無理に歌わせようという空気が今もあるとしたら、それはやはり間違いではないかという気がする。無理に国歌を歌わせることで人の精神が育つはずはないからである。