「利他」

2024-03-21 (木)(令和6年甲辰)<旧暦 2 月 12 日>(先勝 甲申 九紫火星) Bengt    第 12 週 第 27435 日

 

「利他」といふ言葉を耳にすることがある。自分のことよりも他の人のためになることを考へなさいといふ意味だと思ふ。この言葉は宗教的な、特に仏教的な教義を連想させる。道玄禅師の「修証義」にも、ある人のためを思って何かをしてあげてしまふと自分は何かを失ふだけではないかと思ふ人もあるかしれないが、さうではなくて、利行は一法であって、自分にもその人にも利があらはれるものだと書かれてある。自分が強い時に利他を思ふのはやさしいかもしれないが、自分が追ひ詰められてくると、なかなか気が回らなくなるかもしれない。この頃、政治的な主張の中に「自分ファースト」的なスローガンを掲げる人もあるが、僕はあまり賛成できなくて、心がけだけでも「利他」を重んじたいものだと思ってゐる。

曇りがちな一日であった