古い名刺

2021-01-11 (月)(令和3年辛丑)<旧暦 11 月 28 日> (友引 己未 五黄土星)成人の日 Jan Jannike   第 2 週 第 26267 日

 

僕には古いものをいつまでもとっておくといふ変な癖がある。古い名刺もそのひとつだ。日本の会社で働く人は昇進や転勤があって、名刺も随時更新されるから、古い名刺など取っておいても何の価値もない。同じ人の名刺が何枚も出て来ることもある。名刺を頂いた時にその日付を書き込んでないものについてはどれが古いかよくわからない。そんなものサッと捨てれば良いのだが、何となく捨てられなくて、部屋の隅っこの何かの空箱に押し込んである。いくらなんでももう捨てるべきではないかと思ふのだが、「僕は過去にこの人と袖振りあったことがあるのだ」と思ふと躊躇われてしまふ。短い付き合ひの人もあったし、あまりウマの合はなかった人もある。ひどいことを言ってしまった人もある。既に鬼籍に入った人もある。部屋の隅にあるその箱に入った古い名刺をパッと全部捨ててしまへば、外部記憶装置を失ふ様な気もして、逡巡してしまふのだ。どのみち、名刺を見ても覚えてゐる人は何人も居ないのだし、早く捨てれば良いのだが。でも、捨てる前にもう一度だけ考へてからにしようかと思ふ。2013年頃からはエクセルで「会った人日記」をつけた時代もあった。名刺をいただくと、日付とともに自分の手でエクセルに入力したものだった。また、毎日の終はりには、最新面会日の欄のその人のところにその日の日付を記入したものだった。その人に一番最近会ったのはいつであったかが、この表でわかる様にしたのである。「会った人日記」は定年退職とともにつけなくなった。仕事を辞めた今は誰とも交流してゐないし、そんな表が活用されることもない。

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雪の止むのを待つと雨になった。今日の散歩はほんの少しになった。日本の郷里では大雪だといふ。