有名人の持ち物

2022-09-16 (金)(令和4年壬寅)<旧暦 8 月 21 日>(仏滅 壬申 四緑木星) Dag Daga 第 37 週 第 26883 日

 

アメリカのバイデン大統領とか、ロシアのプーチン大統領とか、その他色々な政治家たちが飛行機から降りてくる姿がテレビのニュースなどで流れることがある。いつも不思議に思ふのは、あの人たちは両手に何も持ってゐないことだ。スーツはスラッとしてゐて、そのポケットには何も入ってない様に見える。スマホやチリ紙やハンカチはどこにあるのだらう。ああいふスタイルでテレビに映るのも人々に良い印象を与へるためのパーフォーマンスなのかもしれないが、いつも不思議に思ふ。先日亡くなられたエリザベス女王は、今日の朝日新聞デジタルによると、ハンドバッグを肌身離さずお持ちになったさうである。バッグの中には、飼ひ犬のおやつや、新聞から切り取ったクロスワードが入ってゐたとかも書かれてあった。さらには、ハンドバッグをもう一方の手に持ち替へた時にはしかじか、またテーブルに置いた時にはしかじか、といふ風に、まるで野球のコーチが選手に向けて出すサインの様な役割もあった様なことが書いてあって、そんなものかと思った。有名人ではなくて身近な人でも身軽な人がある。台所の窓からボンヤリと外を眺めると、近所の人が出かけるのが見える。決まって手に何も持たずに外出する人がゐて、カッコいいなと思ふ。僕は外出する時に、どうしても持ち物が多くなってしまふ。子供の時から少年探偵団の七つ道具だとか言って物を持ち歩いた癖が治らないのだ。話は全く飛ぶけれども、僕がまだ仕事をしてゐた頃、日本のお客様のオフィスで打ち合はせをした時、何気なくチラと腕時計を見てしまったことがある。感じの速いお客様は、僕が急いでゐるのだと解釈して先を急がれた。心ならずもお客様を急がせることになってしまって、いまでもあの時の挙措を反省することがある。

台所の窓から見える秋の色