平安時代の旅行

2022-01-07 (金)(令和4年壬寅)<旧暦 12 月 5 日>(仏滅 庚申 四緑木星) August Augusta 第 1 週 第 26637 日

 

2年前にコロナが流行り始めた頃、閉じこもりがちな家で写経でもしようかと思ひ立ったが、どうも抹香臭い感じがある。日本の古典文学を手で写し取ってみるのはどうかなと思って、日本から持って来てあった岩波古典文学体系の「平家物語」を写す事にした。「平家物語」ならある程度現代人にもわかりやすいし、僕はキチンと最後まで読んだこともない。少しづつでも、できるだけ毎日写すようにしてゐるが、とても毎日は続かない。この作業を始めてしばらく経ってから、ひとつのお話が終はる毎に、自分なりに理解した範囲で、自分の訳をブログに載せることにした。勘違ひや間違ひや変な訳もあると思ふが、訳すことは目標ではなく、ただ、写しとることが主たる作業である。高校時代の国語の勉強をやり直すつもりでやってゐる。今はやっと「有王」のところまで来た。(「ありおう」と読む。「あ」と「り」の順序を間違へると「リア王」になってしまふので注意。)ここは平家物語でもハイライトのシーンのひとつだと思ふ。あの時代、旅をするのは命がけであった。野宿も多かっただろうか。行く先々で食べ物はどうしたのだろう。舟にのせてもらふ時はどのように交渉したのかな、運賃表がある訳でもなし。有王はそんなにお金持ちではなささうだし。そもそもあの時代の庶民にとって経済はどのようであったかなと、色々と想像をめぐらしてゐる。

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午後から降り始めて、うっすらと雪が積もった。