スウェーデンのハエ

土 旧暦 6月21日 友引 辛未 五黄土星 Klara V32 25022 日目

家に滅多にハエは居ないのだが、今日はどこからかハエが一匹紛れ込んで来た。一匹でも居るとうるさく仕事の邪魔をするものだ。全ての作業を中断してハエとの決闘に全神経を集中することにした。決闘といへば、僕は女のために決闘するほど勇敢ではないし、運動神経が鈍いのでそれを避ける様にしてゐるのだが、相手がハエならなんでもない。手にハエたたきを持って後ろ手で部屋のドアを締めればもうハエはこの部屋から出て行くことができない。その様に出口を塞いでおいてから、ストップウオッチを押す。制限時間は15分である。15分間にハエが逃げ果せたらハエの勝ちである。頭の良いハエはこちらの武器ーハエたたきーを十分意識してゐる。したがって、それで打ち殺されてもよもや不意打ちには当たらないことをハエ自身がよく知ってゐる。ノーベル賞の国だけあって、スウェーデンのハエは頭は良いのだが、動きが鈍い。昔、日本には宮本武蔵といふ剣豪が居て、飛ぶハエを箸でつまんだといふ話をしても、こちらの人たちはさほど驚かない。であるから、日本のハエはスウェーデンのハエに比べて如何にすばしっこいかをまづ十分説明してからでないとその話は持ち出せないのだ。それくらいこちらのハエは動きが緩慢だ。急降下する時の落差も心なしか小さい。すると、どうだ。ハエは目の前で半回転すると机の端に止まったではないか。まだ一回表ノーアウト、いきなりベストポジションに止まったのはやはり相手を舐めたのではないかと思ふ。エイっとばかりに打つと、あっけなく最初の一撃で仕留めることができた。やはりスウェーデンのハエだったのね。ストップウオッチを止めると、タイムは 2 分 56 秒 41 であった。いきなり新記録。これよりも良い記録が出たらまたブログで報告します。