中国の反日運動

月 旧暦 8月2日 先負 辛巳 四緑木星 敬老の日 Hildegard Magnhild V38 23232日目

世の中に本当の共産主義というものが実現すれば、それはもしかするとすばらしいものかもしれないのだが、僕らが目にする世界の共産主義の国々の移り変わりを見ていると、見習いたいと思うところがない。スウェーデンに来て長いが、この国に住んで何となく安心できるのは王様が居る国であるからだと思う。王様はノーベル賞を授与されるが、威張っているわけではない。政治に口出しされるわけでもない。日本の皇室と国民の関係に近い部分もあるような気がして、それが何となく安心につながっている。スウェーデンは人口の少ない国であるのでこれまでに多くの外国人労働者を受け入れてきた。かく言う自分も外国人労働者の一員である。落ち着いていたスウェーデン社会が、外国からの移民を多く受け入れるにつれて騒がしくなって来たような気がするのだが、そういうことを思ってはいけないことになっている。もう随分昔のことであるが、娘を乗せて自動車を運転していた時、交差点で、マナーの悪い運転の車が通り過ぎて行った。僕が「運転していたのは中東から来ている輩だな」とぽつりと独り言を言うと、娘は「そういうことを言ってはいけない」と注意した。僕は「そうか」と答えた。学校では人種差別につながるような考え方をしてはいけないことを徹底して教育しているらしい。僕も娘から教えられる思いがした。どの国にも良い人間も悪い人間もいる。それをひとまとめにして、どこかの国は悪い、と言ってはいけないのだ。最近、中国の反日運動が高まりを見せている。中国にも日本にも良い人間も悪い人間もいる。あまり国対国の対立にはなってほしくないと思っている。中国の行為は反日に名を借りた己の不満の爆発の感じが強いが、目くじらを立てて怒るには及ぶまい。善行も悪行もすべては因果応報の理に従って裁かれるものである。今の日本に求められるものは「迫害するもののために祈れ」というような広い精神ではないかと思う。