長かった二週間

金 旧暦 3月10日 赤口 癸卯 一白水星 Georg Göran V16 22354日目

ヘルシンキ空港のすぐ近くのホテルの朝食は朝5時からやっていて感心した。5時45分にチェックアウト。玄関にいたバスに乗り込む。雪混じりの雨。あたりはうっすらと雪化粧を始めるほどである。すぐにとけるであろう春の淡雪。空港で長い行列の最後部に並ぶ。行列があまりに長いので、僕は正しい窓口に至る行列にいるであろうかとふと不安になる。アイスランドの火山噴火の影響で、空のダイヤが今日も乱れている。僕達の日常生活の中で、行列に並ぶことはどれくらい頻繁にあるだろうか。鉄道などの切符売り場、銀行、病院、映画、買い物、、、。電子計算機が発達したお陰で、日常生活で遭遇する行列の長さや待ち時間は昔に比べて格段に短くなったと思う。人口に比して行列の長さが如何に短かくて済むかが、その社会の成熟度を測るひとつの目安になる。だが、システムが一度混乱すると、たちまち人の長い行列が出来る。ちょっと火山が噴火しただけで空の便が止まり、モノの行き来が途絶え、世界の国々にいる旅行者は何日も孤立する。文明社会であればあるほど著しい経済の損失を蒙ることになる。せめてもの救いは、通信系が孤立しないでいることだ。これでもしも通信系まで麻痺したら、世界はそれこそ本当にカタストロフィーとなってしまう。災害の起き方によってはそうならない保証は無い。僕達は薄氷を踏むような危うい社会に生きている。どんな備えをすれば良いだろうか。普段からなるべく機械文明に頼らない生き方を想像してみることも大事な気がする。飛行機に乗り込むと、機内は信じられないほど空いていた。1時間で着くほどの短距離の旅行では、飛ぶか飛ばないか、その日になってみなければ分からない飛行機に予約を入れるのは、乗継便を待つ旅行者だけであったからかもしれない。