車の検査

金 旧暦1月9日 先負 乙酉 一白水星 Sigfrid V07 21556日目 -5.7℃

昨日と今日は江戸の冬を思わせるような快晴の寒空であった。けれどもガラス戸越しに光が差し込むと室内はぽかぽかと暖かい。そんなお昼過ぎに会社を抜けて自動車検査に行って来た。いつもは電光表示板に車両番号が出て、どの車はどのポートに入れと指示が出るのであるが、今日はその装置が故障していて、人が遠くから手招きでお前の番だよと合図を送ってくれた。検査官は感じの良いおじさんであった。車を渡す時にギアを入れたままクラッチをつないでエンスト。おじさんはにっこり笑って「ちゃんと止まったからこの機能は検査しなくても合格だね」と言ってくれた。助手席で検査の様子を見させてもらう。ブレーキテスト、ランプ、ウィンカー、ワイパー、クラクションなどの基本機能を次々とテストする。そうして次の棟に行って、排ガス成分の検査、ランプの光軸の検査、シートベルトの動きなどを調べた。エンジンルームも何やら覗いていた。此処まで来ると、休憩室でコーヒーをどうぞと言われて、その間に次の試験に入る。車両をリフトで中空に上げて、車体の状況、ステアリングの動きなどを検査する。検査結果は、片手に持ったハンドセットにその都度入力して行く。日本のファミリーレストランの注文聞きのような機械。全ての工程を終えても10分か15分しかかからない。どこも悪いところ無いよと言われて、仕事場に戻った。

スウェーデンはどこへ行っても予約制である。僕の友達は去年、車の検査に5分遅れただけで、その日の検査を受けさせてもらえなかった。遅刻の違約金を払って、別の日にまた受けに行った。それもその友達が言うには、「あまりきたない車で検査を受けるのは失礼と思ったから、ガソリンスタンドで洗車してきたんだ。それが混んでいたものだから5分遅れたんだ。それが遅れた理由だよ。こんなくらいなら洗車せずに行けばよかったよ。あほらしい。」とぼやいていた。むろん僕は同情した。

ちなみに検査料は前もって銀行に振り込んでおくから当日の現金の授受は無い。300クローネ。何万円もかかるとか言う日本の車検制度はどこかおかしいのではないかと思う。