都会の人々の地方移住

2021-09-04 (土)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 28 日> (仏滅 乙卯 三碧木星) Gisela 第 35 週 第 26502 日

 

「新型コロナを契機に地方移住の動きが活発になっている。」といふ新聞記事を見た(日経電子版 20219321:00 データで読む地域再生)。これからの時代はサラリーマンの転勤も少なくなるかもしれない。人々が地方に移住する動きが本当にあるなら、それは防災の面からも好ましいと思ふ。地方に行けば被災するのを避けられるといふ意味ではなくて、移住した先で被災することも十分ありうるのだが、人口の集中した場所で被災するよりも過疎地域で被災した方が助かる可能性は大きいと思ふ。日本における新型コロナの流行は、起きるかもしれない大都会の潜在的危機を今のうちに回避せよといふ、天の声であるかもしれないと、ふと思ってしまふ。

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週末の朝の散歩は人に会ふこともなく、静かで良かった。

 

菅首相の退陣

2021-09-03 (金)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 27 日> (先負 甲寅 四緑木星) Alfhild Alva 第 35 週 第 26501 日

 

菅首相自民党総裁選への出馬を見送った。良い判断であったと思ふ。誰が総理になっても困難な問題が山積みであった時期に、苦労を背負ってやり遂げたと云ふことでは、おそらくご本人に後悔はなかったのではないかと推察する。有能なリーダーが求められる時代といふのは、実は国民にとって不幸な時代であるのだ。本当に平和な世といふのは、誰がリーダーになってもそれなりに動く世の中である。政府への信頼が落ちたことはそれなりに理由のあることとは思ふけれども、批判ばかりしてゐても始まらない一面もあると思ふ。権力の座といふものは、一般の人々が想像するほど輝かしいものではないだろうとも思ふ。

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秋の夕暮れ

 

ハザードマップ

2021-09-02 (木)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 26 日> (友引 癸丑 五黄土星) Justus Justina 第 35 週 第 26500 日

 

9月1日は防災の日であった。日本では防災のためにハザードマップが逐次更新されるようである。洪水や土砂災害の他に、富士山噴火に備へて溶岩流や火砕流ハザードマップもあるようである。専門家の話では、富士山は将来必ず噴火すると云ふ。それがいつになるかはわからないが必ず起きると云ふことである。小笠原諸島などで近頃海底火山の活発な様子も耳にする。もしも、富士山が300年前の宝永大噴火と同じような噴火を起こすと大変なことになる。その時は空が真っ暗になって逃げ惑ふのが大変だと思ふ。どちらの方角へ逃げたら良いのか、普段から心がけるためにはハザードマップはある程度役に立つのかもしれないが、その時が来てから見るのでは役に立たない。300年前には鉄道も自動車も飛行機も電気もなかったが、それでも大きな被害になった。今は高度な文明の中で人々は生活するので、その被害は甚大になると思ふ。鉄道も自動車も飛行機も、あらゆる移動手段が封鎖されるので孤立する。送電系統がやられて大規模な停電が起きる。水も供給されない。細かい岩石でできた火山灰のためにコンピュータなどの電子機器が働かなくなる。被災の現状がどうなってゐるか知りたくても分からない。自衛隊も出動できない。恐ろしい状況だと思ふ。今、何をすれば良いのだろうか。

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朝の Nyköpingshus

 

労働者本位の社会

2021-09-01 (水)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 25 日> (先勝 壬子 六白金星) Samuel Sam 第 35 週 第 26499 日

 

日曜日に自動車がパンクした。実は4本のタイヤのうちの2本はかなり磨り減ってゐた。パンクしたのはその磨り減った方の1本であった。タイヤが古いとパンクし易いのかもしれない、残りの1本もすぐに交換しよう。さう思って、一昨日、町のタイヤのお店に行ったが、在庫がなかったので取り寄せてもらって、今日、新しいタイヤに替へてもらった。日本はサービスが行き届いた国であるので、自動車に問題があれば買ったお店に行けば何でもしてくれるような気がする。こちらではそんな訳にいかない。タイヤの問題であれば自分でタイヤ屋さんへ行くし、車体が傷ついた時は自分で保険会社に連絡して修理工場へ持って行く。ガラス修理の場合にはまた別のお店に行く。車検を受ける時は自分で検査会社を選んで予約して受ける。定期的サービスだけは買ったお店でやってくれるが、それも、場合によるとこちらからオイルの他にこれこれの交換も頼むと、いちいちサービス内容を指定しないといけないことがある。タイヤの買ひ替へだって、日本ならお店の人がもう替へないといけないねとか言ってくれるが、こちらでは本人任せである。客に色々なことを勧めると親切すぎて却ってトラブルになることがあるのかなと思ふ。日本は消費者本位の国だ。だから消費者へのサービスは素晴らしい。スウェーデンは労働者本位の国だ。だから消費者はいろいろなことを自分でやらなければならない。スウェーデンは働きやすい国だと手放しで褒める人もあるが、それはもともとその社会が労働者本位であるからに他ならない。その分、消費者は低いサービスしか受けてないのだ。日本でも働きやすい社会を実現したいなら、その分、消費者へのサービスの質の低下を覚悟せねばならないと思ふ。

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目覚まし散歩。今日も鳥が渡った。

 

日曜日に働くこと

2021-08-31 (火)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 24 日> (赤口 辛亥 七赤金星)二百十日 Arvid Vidar 第 35 週 第 26498 日

 

ほとんどの日本人は、日曜日に働くことを何とも思ってない。場合によると、人が休む間にも私は勤勉に働くのだと、むしろ良いことのように思ふ人もあるかもしれない。これは仏教や儒教では日曜日に働いてはいけないと言はないからかなと思ふ。キリスト教では、日曜日に働いてはいけないとされてゐる。現代のスウェーデンでは日曜日にも随分お店が開くようになったけれども、人々の心の根底にはそれは本当はいけないことなんだと云ふ意識があるように思ふ。日曜日に働くことは、どこか人間の持つ原罪にも通じるものがあるように思ふ。この原罪の意識が日本人にはないと思ふ。これは意外と大きな違ひかなと思ふ。西洋では、欲望の赴くままに突き進むことに抑制をかけるために日曜日の勤労を禁じてゐるのかもしれない。東洋では別の形で抑制をかけてゐるように思ふ。アメリカのルイジアナでハリケーン「アイダ」による大きな被害が出たことをニュースで見たが、地球的な規模で気候変動が起きるのを防ぐのに、人間の欲望に抑制をかけることが急務だと思ふ。僕自身も自分の原罪に気づかずにこんなことを書くのかもしれないのだが。

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草むらに朝日が当たって

 

俊寛僧都

2021-08-30 (月)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 23 日> (大安 庚戌 八白土星)下弦 Albert Albertina 第 35 週 第 26497 日

 

鬼界ヶ島は平家物語のハイライトのひとつだと思ふ。三人は同じ罪で流罪となったのに、丹波少将と康頼入道の二人に帰洛が許されて俊寛にだけは許されなかった。そこで俊寛は俺も連れて行ってくれと懸命に頼むのだが許されない。しかし、物語の前の方では俊寛は太々しい悪僧として描かれてゐるので、鬼界ヶ島で弱々しく情けを乞ふ様子といかにも不釣り合ひな印象を受ける。吉川英治の「新・平家物語」では俊寛は現地の生活を楽しんでみづから進んで島に残ったとされてゐたように記憶する。また、芥川龍之介に「俊寛」といふ短編があって、様々な琵琶法師が俊寛の物語を様々なかたちにしてしまったと書いてある。「一体琵琶法師などと云ふものは、どれもこれも我は顔に、嘘ばかりついてゐるものなのです。」とも書いてある。「俊寛様の話ですか?俊寛様の話位、世間に間違って伝へられた事は、まづ外にはありますまい。」とも書いてある。自分の暮らしぶりのここでの楽しい様子を友に伝へたいと云ふ意味に取られる、俊寛の次の歌は「源平盛衰記」にあるさうである。

見せばやな我を思はん友もがな磯のとまやの柴の庵を

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あちこちにキノコを見かける季節になった。

 

ハップニング

2021-08-29 (日)(令和3年辛丑)<旧暦 7 月 22 日> (仏滅 己酉 九紫火星) Hans Hmpus 第 34 週 第 26496 日

 

同居人と自動車で Stockholm へ行ったのだが、目的地に着くとパンクに気づく。今日は日曜日でお店は閉まってゐる。はてさて今日はどんな風に帰ろうか、それから明日、自動車を移動してくれるサービスをどうやって手配するかなと、途方にくれた。この頃の自動車には予備タイヤがないので、こんな時、自分で応急に交換することができないのだ。娘とその旦那のところへ行ったので、相談すると、すぐにネットで色々と探してくれた。驚いたことに、新しいタイヤを積んで出前でタイヤ交換に来てくれるサービスがあるのだ。それも日曜日の今日もやってくれるらしい。全ての手配を娘と旦那に任せた。少し待ったが来てくれてタイヤ交換完了。今日のうちに自動車で家に戻ることができた。スウェーデンでこんなにスピーディなサービスがあることに驚いた。僕が知らないだけなのだろうか。僕は運転の仕方が悪いのか、保守への注意力が低いのか、僕の自動車はよくパンクする。これまでのパンクの記録は 2012年6月、2014年6月、2014年8月、2015年8月、2017年12月、2021年8月と、購入から11年の間に6回もパンクした。これからもいつパンクするかわからない。慎重に運転するように、今日は気持ちを引き締めた。

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パンクした自動車を駐車した場所の近く。