スウェーデンのコロナ戦略

2020-08-14 (金)(令和2年庚子)<旧暦 6 月 25 日> (赤口 己丑 二黒土星) Uno   第 33 週 第 26117 日

 

スウェーデンのコロナ戦略をリードして来たのは政府といふよりも、公衆衛生局の Anders Tegnell 氏である。都市封鎖をせずに小中学校などもずっと開いたままでやって来た。その戦略に従ったところ死者をたくさん出してしまって、いっときはスウェーデン方式は失敗だと批判されもしたが、415日をピークに死者の数は減少を続け、昨日なども12人程度に抑へられてゐる(今日は7人出た)。亡くなる人は、病院ではなくて老人施設などでなくなるのがほとんどであると聞く。重症化したからといって病院に運ばれることはないのだ。命の選別といふ批判もあるかしれないが、高齢者がなくなるのはある程度までやむを得ないこと、といふ微妙な暗黙の了解は日本においてよりスウェーデンにおいて強い気がする。都市封鎖はしないし、食堂にも結構人が入ってゐるし、街を歩く多くの人はマスクもしない。こんなことを書くと日本でもさうすれば良いのに、と言ふ人も現れるかしれないがそれは違ふ。スウェーデンは人口の少ない国であるので、大都市を除いて、そもそも普段の暮らしが三密を避けた状態になってゐる。だから、人に近づく時にちょっと気をつければ良い程度で済む。それでも今年の第2期のスウェーデンBNP8,6%も低下した。それだから不景気なのかなと思ってゐたら、別の試算では、この戦略が功を奏してスウェーデンは千億クローネほども損を出さずに済んだのだといふ新聞記事を見た。1兆円を超える額だ。クローネの価値も上昇気味だ。スウェーデン方式は必ずしも集団免疫の獲得を目指すといふ訳でもないし、そもそも集団免疫の獲得で事態が収拾するのかも僕にはよくわからないが、一つだけ言へることは医療崩壊を起こさずに感染の広がりをなるべく緩やかに抑へるといふことに尽きるのではないかと思ふ。この先どうなるかわからないから何とも言へないが、これまでのところではスウェーデン方式はやっぱり良かったのではないかと感じられる。ただ、投資家、慈善家の George Soros 氏は「スウェーデン EU の交渉で非常に利己的に動いた」と批判した記事を見た。見出しを見ただけであるので、具体的に何がどの様に利己的であったのかまでは分からなかった。

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いつもの散歩道にはサッカーコートもある。今日は誰も遊んでゐなかった。