新しいもの、古いもの

水 旧暦 1 月 6 日 赤口 甲申 九紫火星 Hilding V08 25215 日目

僕らは技術の進歩の著しい時代に生きて、文明のありがたさを享受できることが一応幸せではあるけれども、どこまで行ってもキリがない様な気もする。例へば日本の新聞や週刊誌をヨーロッパで同時に見られることとか、Skype や Line で世界の人たちと自由に会話のやり取りができることなどは、それらの技術が登場した当初でこそ夢の様な感じがしたものだが、しばらくすると日常化して当たり前になり、さほど感動もしなくなってしまった。これから先、自動運転の車が登場してもきっと同じことで、最初は興奮するだらうがすぐに慣れて当たり前になると思ふ。若い時は新技術が発表されると、その先端がどこまで行くのか、非常に興味もあったが、この頃になると、もう適当なところでいいやと思ふ様になった。iPhone にしても、最新鋭機種 iPhone X の売り上げはさほど伸びないらしい新聞記事も見たが、僕はすごく納得してしまふ。現に僕の場合、今持ってゐる iPhone で日常生活のことは十分できるから、それ以上の機種を求める気持ちが湧かないのだ。これは必ずしも「君は老人だからですよ」とも言ひきれないと思ふ。新技術が登場するたびに振り回されるのではなくて、少し落ち着いて、人間らしい営みとは何であるかを考へたいとこの頃思ふ様になった。