松尾芭蕉 x 俵万智の「新・おくのほそ道」展

水 旧暦 2月29日 赤口 戊午 七赤金星 Vilhelm William V14 24518 日目

今日も所用があって武生へ行った。帰りに福井に寄って「福井県ふるさと文学館」へ行った。松尾芭蕉 x 俵万智の「新・おくのほそ道」展を見るためにである(4月10日まで)。チラシが不親切で「県立図書館内」と注記がない。福井駅から無料のフレンドリーバスに乗ったのだが、まづバス乗り場がどこかよく分からなかった。その上、そのバスの運転手に「福井県ふるさと文学館で止まりますか」と聞いたら運転手は「そんな場所には止まらない」と答へた。それで地図からはその建物に近さうな「福井市美術館」で降りて、田んぼ道を急ぎ足であちこち探し回ったのであるがそれらしい建物は見当たらない。ついにたどり着いたところは何度か足を運んだことのある「県立図書館」であった。バカバカしい。不満はあったが運動にはなった。ブログの写真を撮ろうかと思ってカメラを取り出した。撮影禁止かもしれないと思って奥に座ってゐた男の館員に展示会場入り口付近の写真を撮っても良いですかと聞いたら男の人は「良い」と答へた。それで写真を撮ったのだが、少ししてもう一枚別の写真をと思ってシャッターを切った時、今度は女の館員が飛んできて「写真はダメです」と言はれた。館員によって言ふことが違ふ。バカバカしい。が、多分、規則では女の人の言ふことが正しいのであろう。日本といふ国の変なところだ。僕は素直に従って、撮った写真を削除した。でも、展示そのものはとても良かった。芭蕉の古い句と俵万智の現代短歌の対比が面白かった。男であること、女であること、老であること、若であること、昔であること、今であること、俳句であること、短歌であること、それらの対比があって、しかもどこかで繋がってゐるところが面白いのである。さらに、俵万智の自筆の手紙などが展示されてゐて、その文字の美しさに僕は少し参ってしまった。あれを見るためだけでも足を運んだ価値はある。僕にとってさらに今日良かったことは森先生にお会ひできたことである。いつもと同じ様にお元気とお見受けしたのだが、先生は先週まで入院してたのだと言はれた。「エッ」と驚いて色々お聞きすると、2月27日の早朝、ラジオ体操に出かける道すがら、融雪水がマンホールのあたりで凍って、それで滑って足を骨折なさったとのことであった。しかし、毎日、健康のためを心がけておられる先生はご回復も早く、最近怪我をされたご様子はまるで感じられなかった。「大変でおありだったのですね」と申し上げると、「一番困ったことは、バレンタインデーにもらったたくさんのチョコレートのお返しをホワイトデーにできないことでした。」と飄々と言はれた。そのために入院中、外泊届を出して抜け出られたさうである。看護師さんから、「外泊の理由を具体的に書くのですよ」と言はれて先生は困ったさうである。そこで筆が止まったのを見た看護師さんは「気分転換と書いたらどうですか」と助けてくれたさうである。その他、看護師さんたちの優しい様子や会話の楽しみをお伺ひして、先生の入院生活はさほど苦痛でおありではなかったなと推察した。