コペンハーゲンの連続銃撃事件

月 旧暦 12月28日 先負 癸亥 六白金星 Julia Julius V8 24114日目

デンマークの首都コペンハーゲンで週末に連続襲撃事件があった。表現の自由に関する討論会が開かれたカフェと、シナゴーグ付近の二箇所で相次いで男が銃を乱射したのである。犯人は22歳のデンマーク人の男で、職務質問に対し銃で応じたために射殺された。イスラム国の回し者ではないのかもしれないが、自発的に共鳴するものがあちこちに潜伏することは重大な危機であると思ふ。物騒な話が北欧にも及んだかと、このニュースを見て、僕の心配のレベルは高まった。標的にされたのはスウェーデン人風刺画家であるとも報道されてゐる。僕は戦後の平和な日本に育ったので、呑気であったと言ふべきか、表現の自由は空気の様にタダであり、それを当たり前のものとして保障するのが社会と言ふものだと内心で思ひ込んでゐた。しかし、長い人類の歴史の中や外国の地では、それは当然の権利と思ふ方が間違ってゐる。そこでは自由は文字通りの意味で命に替へて守らなければ得られないものであるのだ。だが、もしさうであったとしても、いや、さうであるからこそ、僕はあの奇跡的な平和の70年を可能にした日本国憲法の精神は、今こそ、日本が率先して世界に発信すべきではないかと思ふ。そんなことをすれば、騙されて殺されてバカを見るだけかもしれない。けれども、何度裏切られても立ち上がり、繰り返し、繰り返し、「それでも僕たちは君たちの公正と信義に信頼する」と叫び続けることができないものだらうか。