ノーベルセンターの建設

木 旧暦 10月20日 大安 丙辰 八白土星 Daniel Daniela V50 24047日目

ストックホルムの旧市街(ガムラスタン)にはノーベル博物館がある。それ以前は証券取引所であった建物に、仮設の様な感じで博物館として開いたのが13年前である。それ以来、この博物館はストックホルムの観光名所になってゐて、最近はその中にあるカフェの椅子の裏にノーベル賞受賞者がサインすることになってゐる。授賞式はコンサートホール、晩餐会は市庁舎で行はれ、この他にノーベル財団のオフィスが街の別の場所にある。かういふ分散されたスタイルで例年営まれて来たが、これらの機能を一箇所にまとめたノーベルセンターを建設しようと云ふ機運が高まって、数年前に国際的建築コンペがあった。今はその優勝者も決まって、2018年完成を目指して建築が進められようとしてゐる。総面積は当初16,000m2の予定であったものが、25,000m2にまで拡張され、地下は駐車場になると云ふ。その予定地は受賞者の宿泊するグランドホテルのすぐ近くである。ただ、この建築には反対意見も強くあり、また予算の問題もある様で、新聞などによると先行きがどうなるのか不明な部分もある。と言ふのも、1876年からの歴史を持つ tullhus を取り壊さなければならないのは問題であるとか、Nationalmuseum との並んだ景観が良くないと云ふ意見がある。確かに建築は都市との調和の中で生きるものである。また、財政の面でも、アルフレッド・ノーベルの遺書により、財団のお金をノーベルセンター建設には使へないさうである。しかし、もし、建設が進まないとなると、国際的建築コンペは一体何だったのかと云ふ疑問も残る。