De Geer Hallen

金 旧暦 10月14日 大安 庚戌 五黄土星 Sven V49 24041日目

僕らの住む町にもコンサートホールはある。それは、僕らが移り住んでから出来たホールであるので、まだ新しいと思ってゐるが、それでももう四半世紀も経つ。人口の小さな町にしては良いホールがあると思ふ。ここで開かれる催しを見に行くだけで本来は満足すべきなのかもしれないが、僕らはしばしば隣町のノルショッピングまで出かけることが多い。隣町と言ってもノルショッピングまでは60キロ以上離れてゐる。昨日行ったのは、その De Geer Hallen と言ふホールであった。このホールも1994年に竣工され、比較的新しいと言へば新しい。De Geer は17世紀にオランダに生まれ、スウェーデンに来てノルショッピングに住み、産業の発展などに貢献した人だと聞いてゐる。その人の名がホールの名に冠せられてゐる。今、NHK大河ドラマ軍師官兵衛」のテーマ音楽指揮者、広上淳一氏は、このホールができる頃まではノルショッピング交響楽団の常任指揮者であったこともあり、その頃も時々ノルショッピングに聞きに来た。昨日の演奏会では、休憩時間に何人かの方に偶然お目にかかったが、その中にDaniel君の顔も見えたのでちょっと驚いた。彼は大工をしてゐるので、建築の知識が豊富である。雑談の中で、このホールは元は工場であったものを改造して出来たと言ふので、僕はまた驚いた。高い天井は8角錐の形状になってをり、その3辺を下に辿って広がる様にステージがあり、残る5辺が馬蹄形をなして客席を構成する。言はれてみれば、なるほど、内装を改装したらしい形跡がそこここに伺へるが、言はれるまでは全くそのことに気づかなかった。スウェーデン人は何でも壊して新しいものを作るのではなく、古い建物の外観をそのまま保って、改装して、すっかり全館新築の様に見せる技術が高いと思ふ。