偉大な芸術家の思ひ出

月 旧暦 閏9月4日 赤口 辛未 八白土星 Sabina V44 24002日目

クラシック音楽の曲名は多くの場合作曲者と作品番号で表されるが、有名な曲にはそれとは別に副題と言ふか、通称がついてゐる。通称をつけて措かなければ人々が呼ぶのに不便である位人気が高い曲であると思ふ。例へばベートーベンの交響曲では、第3番「英雄」、第5番「運命」、第6番「田園」などが有名である。その他の交響曲もすべて名曲と思ふが、何故か全ての曲に通称が与へられてゐるわけではない様である。ピアノトリオの場合には、多くの作曲者がたくさんの作品を書いてゐるが、通称で呼ばれるピアノトリオは、僕の知ってゐるのは、ベートーベンの「大公」、チャイコフスキーの「偉大な芸術家の思ひ出」、ドヴォルザークの「ドゥムキー」である。これらはどれも僕の好きな曲で、若い頃はLP盤でよく聞いた。それでたまに演奏会のプログラムにそれらの曲を見つけると、行きたいと言ふ衝動にかられる。今日はそのうちの「偉大な芸術家の思ひ出」が演奏されたので、同居人と隣町まで聞きに行って来た。名曲を目の前で演奏してもらへるのはなかなか得難い体験で、時々、演奏会には出かけたいと思った。演奏会の前に友人の Daniel にも会ったら、彼も一緒に聞きに来てくれて、その分、余計楽しかった。演奏会の前半はソプラノの Christina Högman が出演した。たくさんの曲を歌ってくれたが彼女自身がスウェーデン語に翻訳したと言ふ歌詞で美しい歌声を聞かせてくれた。なほ、トリオの演奏はピアノが Mats Jansson バイオリンが Nils-Erik Sparf チェロが Elemér Lavotha であった。