吉田正のシベリア体験

月 旧暦 7月23日 大安 辛酉 六白金星 Ellen Lena V34 23931日目

NHKスペシャル「いつでも夢を 作曲家・吉田正の戦争」と言ふ番組を見た。吉田正と言ふ有名な作曲家の名前を僕も知ってはゐたが、その過去にシベリア抑留の体験があったことはこの番組で初めて知った。それを知った後で、吉田正の曲を思ひ浮かべて見ると、そのメロディの訴への中に、何か分かるものがある様な気がする。だが、それを知らないままでも昭和を飾った名曲はそのまま残る。それがすごいところである。一般にシベリア抑留を体験した人たちは、まだ生きてゐる人でも、そのことについて多くを語らうとしない。語りたがらないものを根掘り葉掘り聞くのは僭越である。だからシベリア抑留の歴史の記述は慰安婦問題の様な形を取らない。戦争が終はった後なのにあの様な悲惨な事件が何年も続いた事を僕たちは胸の内に忘れてはならないと思ふ。夏の服のままで連行されて零下40度の極寒の中で連日強制労働が続く。多くの人たちが命を落としたが、そんな中でも人間は歌で励まされる。歌の力を改めて思ふ。