新AIの時代

火 旧暦 7月24日 赤口 壬戌 五黄土星 Magnas Måns V34 23932日目

僕が日本の会社を辞めてスウェーデンに渡った頃は、まだバブル経済と言ふ言葉は世に流布してゐなかった。その頃、電子計算機の分野では人工知能(AI)の開発ブームがあった。これからどんな進歩が見られるのだらうかと僕もワクワクした。ところがその後に実際にやって来たのは湾岸戦争や経済停滞の大変な時代であった。人工知能の開発は、掛け声は大きかったが実質的にはめぼしい進歩を遂げることが無かった。そのことにある意味では失望したが、一方では、妙に安心する心持ちもあった。ところが、最近になってまた新たな光が当てられて、昔とは違った接近の仕方で人工知能開発が一気に進んでゐるらしい。今回の波は格段の技術の進歩に裏打ちされてゐるので、実現する可能性が非常に高い。新聞記事を読むと、信じられない様な天才たちによって恐ろしいほどの技術革新が進行してゐる様である。世の中はこれからどこへ向かふのか。人類は高度な文明を築いた後で結局は破滅してしまふのではないかと、僕は一方で進歩を賞賛しながら、他方心のどこかでオロオロしてゐる。