STAP細胞騒ぎ

金 旧暦 2月14日 先負 甲申 九紫火星 Matilda Maud V11 23774日目

ひと月あまり前、STAP細胞は、あの山中教授のiPS細胞技術をも凌ぐほどの世紀の大発見として、新聞、雑誌などで大々的に宣伝されたが、今日のニュースによると、論文の著者たちは功を焦って偽りを世に発表した公算が大きいらしい。最初は小さな勇み足かと思ったが、STAP細胞そのものが本当に存在するのかが疑はれ、それが誰にも再現できないとなると、あの騒ぎはそもそも何であったのかと僕も思ふ。若いリケジョによる大発見といふことで、その研究内容と言ひ、社会への影響力と言ひ、研究者のプロフィールと言ひ、話題性が高く、新聞などでも大々的に取り上げられた。それだけに、今日のニュースには失望した。僕自身が何も損をした訳ではないが、一度は心が躍った分、騙されたのかな、といふ感じは拭へない。そのニュースの背後に漂ふ研究発表への功名心と言ふか、スピード重視で内容の吟味が後回しになる雰囲気が、何とも真のアカデミーからは遠い気がする。理化学研究所ハーバード大学、博士論文、ネイチャーへの論文掲載、などの文字を追ふだけで、僕らは、オーッ スゴイ、と思ってしまふ。さう思ふ方も悪いのかもしれない。ともあれ、論文が間違ってゐたなら撤回してもらふしかないが、ただ、新しいイノベーションに挑戦する気持までは撤回せずにこれからも頑張って欲しいと思ふばかりである。