年金生活のひと月

月 旧暦 2月3日 仏滅 癸酉 七赤金星 Gunborg Gunvor V10 23763日目

年金生活のひと月が過ぎた。今のところ毎日が新鮮でどこか楽しい。単調なリズムの繰り返しを楽しいと感じるのは年をしたせいかもしれない。家に居ればいくらでもやることはある。だが家に居てばかりでは良くないので、毎日午後には自転車で出かける。プールと図書館通ひが日課になった。年金生活も結構忙しいのである。ただ、人はさういふ状況を忙しいとは言はないだけである。年金生活に入る前は少し心配もあった。年金の支給を受けるための手続きを間違へてゐないだらうかと、少し心配であった。誰かに相談したい気持もあったが、何をどう聞けば良いのかも分からないので、ともかくも、何が分からないのかを説明できる状況まで自分でやってみることにした。すると結果的には誰にも尋ねないで手続きが済んだ。社会保険庁の様なところへ行って何か書類を提出するのかなと思ってゐたが、全ては郵便でやり取りするだけであった。スウェーデンの年金制度は階層的にいくつかに分かれてゐて、保険会社もいくつかあるので、これまで自分のかけて来た年金を調べて全て漏れなく支給を受ける申請のためには色々な機関にいくつも書類を提出しなければならなかった。が、事務所へ直接出かけて申請することは一切無く、全てが郵便のやり取りだけで完了してしまふのであった。かういふスウェーデン社会のシステムには今更ながら感心した。ひと月が終はって、申請した箇所すべてから年金支給が開始されてゐることを確認して安心した。そのうちのある部分は5年間支給され、別のある部分は10年間支給され、高齢になれば支給額も少なくなって行く。いつまで生きることが許されるかなとふと思ったりした。