朝霧

金 旧暦 8月2日 先負 乙亥 一白水星 Lilian Lilly V36 23586日目

芝を刈った後の草の香りが僕は好きである。あれは夏の香りである。いつからか秋がしのび寄って、気がつくともうあの香りを感じることはなくなっている。夏には「草いきれ」というものがある。草が呼吸した水蒸気でむせるのだろうと思う。ところが今の季節になると、朝晩の気温が冷えて、その水蒸気が凝縮するということだろうか、低い中空にうっすらと霧がかかったようになる。これを見るともう秋であるという感慨を深くする。ちなみに「霧」は日本でも秋の季語になっている。そうしてやがては「秋草に置く白露の、、、」というような風情になって、これはもう、日本の秋と変わらないのではないかと思う。この国があまり外国であるように感じられないのはこういう風景から受ける印象もある。明日は白露である。