メッセージの緊急性

土 旧暦 5月28日 友引 癸酉 九紫火星 Esaias Jessika V27 23523日目

二人の男がひそひそと話をしている。重大な計画をもくろんでいるらしい。やがて話はついたと見えて二人は分かれた。と思ったら、別れ際に思い出したように一方が他方を呼び止めて、「今の話は誰にも漏らさぬよう、くれぐれも極秘でことを進めてくれよ」と念を押した。念を押された方の男は呆然となって、その場で腹を切った。これだけの大事を託された以上は極秘でことを進めるのは言われなくても当然であるのに、その当然のことをわざわざ確かめなければ安心できないほど、そんな程度にしか俺のことを見ていなかったのかという、抗議の死であった。若い時に読んだ、何のお話であったかすっかり忘れているのだが、その場面だけ妙に覚えている。こんなに極端でなくても、現代でも他の人と一緒に仕事をする時は互いに信頼しあうことは大事であると思う。僕もこの頃、標題にわざわざ「緊急」と書かれたメールをよく受け取るようになった。標題にそう書かれていなければ、僕は急いで処理を進めない人間にしか、見てもらえないのだなと思うと、気楽な反面で、ちょっと寂しい気もする。思い当たるフシもあるから無理はないのであるが。返事を欲しいメールを書く時は、本文の末尾にいつまでに返事を欲しいと書くようにすべきであると思うが、標題に「緊急」は不要と思う。現代はメールがあるために、前の日に今日はこれをしようと予定していたことができなくなることってあるのではないだろうか。現代は便利な時代かもしれないが、大変な時代である。