散歩しながら思うこと

日 旧暦 4月24日 先負 己亥 三碧木星 Rutger Roger V22 23490日目

スウェーデンに住んでありがたいと思うことのひとつはすぐ近くに散歩道があるということ。そりゃあ東京にだって散歩道は無論あるだろうけど、どこも家が建て込んでいるような感じがして落着かない。京都の哲学の道なんかは良いのかもしれないが観光客が一杯でなかなか哲学できないのではないだろうか。その点、僕の今いるところは住まいにせよ、働くオフィスにせよ、建物を出ればすぐに散歩道がある。川も流れている。今の季節は若葉も美しい。25年もそんなに良い環境に暮らしながらこれといった哲学がついに芽生えなかったのは、才能が無かったというよりは仕事に追われていつも散歩どころでは無かったからだ。この頃になってようやく散歩の楽しさを味わっている。いや、楽しさと言って良いだろうか。最近あまりにも血糖値が高く、夕食後になんとか少しでも身体を動かさねばという義務感から足を運ばせているだけかもしれない。落着いて歩きながら考えてみると、スウェーデンで暮らしている間に世の中の技術はうんと進歩したように思われる。自分だけが進歩から取り残されたような感じがしないでもない。もし、自分がまだ若くて今くらいの知識しかなかったら、これからどこかの会社に入って技術的な職について生計を立てるのは本当に大変だろうと思う。昔のように技術の進歩が緩やかであったなら、仕事場の人間関係にもそれなりに長幼の序が成り立っただろうと思うが、今の時代では僕の方が若い人から教わるばかりである。そしてそのことをせめて恥と思わぬ自由を持っていたいと思うばかりである。