ストックホルム郊外の暴動

土 旧暦 4月16日 先勝 辛卯 四緑木星 満月 Urban V21 23482日目

同居人とストックホルムへ出かけてきた。娘たちの暮らすアパートに寄って、向こうの両親も来られて6人でお茶をいただいた。たまにこうして会う時間があるのは良いことと思った。今ではもう、娘たちの暮らしの方が僕たちの暮らしよりもずっと忙しくなっているので、そういう時間を作ってくれたのは僕らにはありがたいことであった。ところでストックホルムと言えば数日前から郊外で毎晩のように若者による暴動が起きている。そのことがやや気になっていた。今日、町の中心部で買い物をした時は、大勢の人で賑わっていて、いつもと変わりなかった。しかし、改めて通行人を見ていると、まさにここは人種のるつぼという感じがした。実に色々な国々から人が集まっているようである。スウェーデンの労働力は移民してきた人たちによるところが大きく、移民者はある意味でこれまで優遇されていたと思う。ある意味で、と書いたのは賃金の高さはどうだか知らないけれども、くらいの意味である。賃金体系が移民者であることが理由で低く扱われることが無いような努力はなされていたと思う。僕らの仕事でも年に一度全国の組合組織から賃金のアンケート調査があって、その中に移民者であるかどうかも尋ねられて、そういう統計も取られている。そればかりではない。例えば移民してきた人の子供には、その出身の母国語の教育が施されるのであった。これはやはり破格の待遇であったように僕には思われる。日本で、アジアなどのよその国から働きに来た人の子供たちに、その出身国の国語教育を日本政府がお世話しましょう、という発想は考えられないからである。これほどまでに移民を受け入れることに寛容であったスウェーデンではあるけれども、ついに移民者による暴動が起きた。一番大きい原因は高い失業率の問題であろうと言われている。若い人の就職難状況は日本よりスウェーデンの方が深刻ではないかと思うが、この地で教育を受けていない移民者になるとさらに大変である。どの国にしても移民を受け入れるということは大変なことであると思う。ストックホルムに始まったこの暴動が、例えばオーレブロやリンショッピングなどの比較的近隣都市に飛び火しはしまいかと今危ぶまれている。