アトフミ

金 旧暦 4月15日 赤口 庚寅 三碧木星 Ivan Vanja V21 23481日目

「アトフミ」とは良く電報で用いられた略語で、後で文(手紙)を書いてもっと詳しく知らせます、という意味である。今はもう使われなくなった言葉であるが懐かしい気がする。今はもう電報という通信手段そのものが祝電や弔電の形でしか暮らしの中に無い。あの時代は電報料金が何文字でおいくらです、という時代であったから、今からは想像するのもむつかしい。まだ電報の無かった時代に、例えば浅野内匠頭江戸城の松の廊下で事件を起こした時、早馬で赤穂の国許にコトを知らせるのに、人は大急ぎで墨をすって、はてさてどんな文章を短い間に書き上げただろうかと思う。もしも、あの時代に電報があったとして、その電報文を、僕ならどう書いただろうか。制限時間は3分間。40字以内。何だか受験の国語みたいになるからやめます。でも、今の時代でも、例えば電子メールで何か込み入ったことを伝えたい時に、まず、さらっと結論だけのメールを書いて、「アトフミ」とその後につけたらどうだろう。誰でも簡潔なメールが書けるようになるのではないだろうか。「愛してます、アトフミ」、「好きです、アトフミ」、「こないだの千円まだ返してもらってないよね、アトフミ」。何だか応用範囲が広い気がする。何もまじめになって後で文を書かなくても良いのだ。まだ書きたいことが本当はあるんだよという気持ちが伝われば十分である。「アトフミ復活友の会」?あっても良いのじゃないだろうか、会員は僕一人かもしれないけれども。