病院の縮小

木 旧暦 4月7日 仏滅 壬午 四緑木星 Ronald Ronny V20 23473日目

僕らの町には私立病院がない。多分、スウェーデンのどの町でも同じだろうと思う。あるのは、日本風に言えば、県立病院のような感じの病院が町にひとつあるだけで、その経営は地方の政治と密接に絡んでいる。いくつか分散されてあるVårdcentral という地域医療施設も組織としては病院と同じである。病気になったり怪我をしても見てもらうために予約を取ることが大変なことは何度か書いたが、この頃はあまりにも人手不足で病院の運営がむつかしくなり、病院の部門が縮小するようなことが昨日の地方新聞に出ていた。ますます診てもらえなくなるのではないかと思う。待遇を良くすれば医療機関で働く人の数も増えるだろうが、地方財政はそういうことを許さないらしい。早く手当てをすれば助かるかもしれないのに診てもらえなくて病気が進行してしまう患者もいるのではないかという気がする。検査をしてもらう場合でも、本人が検査して欲しいという希望を出すくらいではなかなかやってもらえない。人間ドックも聞いたことが無い。もともと検査嫌いの僕にはありがたい国である。でも、こういう国に住んでいると、普段から病気にならないように気をつけようという気持ちが強くなる。それで却って健康になれる。そのせいかどうか分からないが、この国の平均寿命は日本とあまり変わらないくらい高い。良い国だと思うけれど、日本に住んでいる人たちにはちょっと想像できないほどの課題を抱えているのも事実であると思う。